この冬は暖冬と言われています。スキー場に雪は少なく、酒造メーカーでは発酵の温度が高くなりすぎるのを防ぐため、樽を氷水で冷やしているそうです。野菜も早くから大きくなりすぎたり、虫に葉を食われる被害も出ています。
平年より1~1.5°C高いようです。その原因はエルニーニョ現象と、偏西風が平年より北にあることのようです。そこで調べてみました。
気象庁の資料「2015年11月における赤道域の海洋と大気の状況」からいただきました。
80Wがペルー沖、150W付近がタヒチ、130E付近がダーウィンです。これを見てわかるように、ペルー沖の赤道付近に、平年より3°Cほど海水温の高い水域が広がっています。この状態が3月ごろから続いているようです。北関東に豪雨をもたらしたのも、この影響があるのでしょう。
これは、14日21時の300ヘクトパスカル(高度9000m付近)の高層天気図です。偏西風の解析をするときは、300ヘクトパスカルをよく使います。実線が300ヘクトパスカル面の等高度線を表します。
緑色の平年の偏西風の中心(ジェット気流)線と比べて、今年は北の方に偏西風があります。しかも、等高度線(実線)があまり混んでいません。偏西風が強い時は、この線が混んできます。
エルニーニョと偏西風の位置には関係があります。
平年ですと、ダーウィンのあたりの海水温がもっと高くなります。海水温が高いと、上昇した空気は中国大陸やシベリアで下降します。つまり高気圧になります。そのために偏西風が押し下げられて南下します。ところが今年は高い海水温の領域がペルー沖に移動したため、ダーウィンの付近は海水温が上がらず、中国大陸やシベリアの高気圧は弱くなるため、偏西風が南下してこないということになります。これが気象学的な説明になります。
これらのことから、やはりこの冬は暖冬なんだなということが頷けるのではないでしょうか。
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