スコアメーカーで、作成した楽譜を演奏(プレイバック)すると、楽器ごとに音量が違って、うまく調和しないことがあります。そのようなときは、強弱記号のプロパティを開いて「ベロシティ値」を調整します。
しかし、ベロシティ値を調整しても反映されないことがあります。
クレッシェンドやデクレッシェンドが、指定通りにならないこともあります。プロパティのベロシティ加算値を増やしても反映されないことがあります。
rit. や piu mosso といった速度変化の指示をしても反映されないことがあります。
なぜでしょう。私が陥ったうっかりを紹介します。
テンポロック、強弱ロックがONになっている
それは、「テンポロック」あるいは「強弱ロック」を知らずにクリックしていたことです。
テンポロックは、演奏モードにしたときのメニューのやや右のここにあります。
強弱ロックは、テンポロックの右にあります。
これを知らずにクリックしていたのです。
これは何のためにあるでしょう。スコメスタイルによりますと、次の説明があります。
音の高さやリズムを確認するための練習をしたい時には速度や音の強さが変化してほしくない場合もあるかもしれません。
そのように演奏させるために、速度記号や強弱記号を消したりする必要はありません。
このようなときに使えるのが、「テンポロック」や「強弱ロック」です。
音の高さやリズムを確認したいときのためにあるということです。
うっかり忘れていて、「なぜ?なぜ?」とドツボにはまらないように注意しましょう。
強弱記号の位置が正しくない(後ろすぎる)
私が陥るうっかりをもう一つ。それは、強弱記号の位置が後ろすぎて強弱が反映されないということです。
右の楽譜を見てください。
バイオリンの小さいトレモロで始めたいので、pp のプロパティを開いて「ベロシティ値」を小さい値にしましたが変わりません。やっきになって、5とか1とか極端に小さい値を指定しても変わりません。そしてなぜか2小節目から小さくなるのです。
原因は、pp の位置が後ろすぎることでした。印刷された楽譜を演奏するには何ら問題ないのですが、演奏するときは強弱記号の位置を厳密に検出します。
右のように、pp を小節の先頭(小節線ぎりぎりのところ)に移動しましたら、ベロシティ値が反映されるようになりました。
強弱記号の位置が後ろすぎると、その前の強弱がそのまま適用されるということです。