KAWAI のスコアメーカーは優れた楽譜制作ソフトと思います。しかし、リファレンスマニュアルに書いてなくて、こんな時どうするのだろうと思うことがあります。そんな時私が発見した解決方法、Q&Aから得た解決方法などを紹介します。
使用しているソフトは、
スコアメーカー7Pro 7.0.024
です。これ以降の製品では解決されているかもしれません。
コンテンツ
全休符を長い小節に連続して入れる
オーケストラスコアを作っている時に、休みのパートが空欄のまま残ってしまいます。ここに全休符を一つずつ入れていくのはたいへんです。
こんな時は、どれか1小節に全休符を入れて、この小節を選択します(ダブルクリックする)。すると小節がオレンジ色に変わります。これをコピーします。(メニュー>編集>コピー)
次にコピー先の小節を選択します。(コピー先の先頭小節をダブルクリックで選択し、続いて終わりの小節をダブルクリックで選択する)この時複数の小節を選択するのが鍵です。
この状態で貼りつけます。(メニュー>編集>貼りつけ)
複数小節にコピーすることができました。
このとき気を付けることは、リハーサルマークや速度記号など、小節に付属している記号などがない小節を選択することです。このような小節を選択すると、記号までが貼りつけた全ての小節にコピーされてしまいます。
スラーの形が不自然なのを補正する
スラーを記入したとき、このように弧が丸くなりすぎてカッコ悪くなるときがあります。タイの場合はこんなことは起こらないようです。
このようなときは、スラーを選択しますと、このように四角形のインジケータが現れますので、これを操作して弧の形を整えることができます。使う四角形は音符から離れている方です。音符に接触している四角形は別の用途で使いますが、それはあとで説明します。PowerPoinnt と同じ使い方ですね。
四角形をこのように動かして弧の曲がりを緩やかにします。
このように美しい弧になりました。
これを一つひとつ補正していきます。今のところこれを効率よく進める方法が見あたりません。KAWAI さん、良い方法があったらコメントしてください。
逆に、次のようにスラーが扁平で音符にかかってしまう場合があります。
この場合は、四角形を音符から離します。同時に音符に接触していた四角形も上に移動して音符から離すこともできます。
ただしこの場合は、最初からスラーの最初を音符の符尾の上に持ってくることできれいに引けます。
最近のスコアメーカーZEROでは、スラーを入れたときにきれいに調整してくれます
スコアメーカーZEROは日々進化しているようです。2023年1月に使用したときは、最初にスラーを置いたときにきれいな弧に修正してくれました。段落の小節数を増やしたときなどはスラーが変形しますが、もう一度スラーを置きなおすと、きれいな弧に調整してくれます。
さらにうれしいことは、きれいな弧に簡単に整形してくれる機能が追加されたことです。
スラーをクリックすると、□ポインタの真ん中に〇ポインタが追加されています。弧の中心を意味しているようです。
この〇ポインターを上下に動かすことによって、きれいな弧に整形してくれます。
従来は、両側の□ポインタを一つずつ操作して弧の形を整える必要がありました。
テヌートとタイを同時に指定すると重なってしまう
次のようにテヌートとタイの記号を同時に指定すると重なったり逆になったりしておかしくなります。
これで我慢してもらってもいいのですが、ソーソとかシーシはどうもいやですね。この場合も上の手法で、タイを選択した時に表示される四角形を移動して調整します。
この場合は4つの四角形を移動します。
かなりめんどうです。たくさん出てきたときに、一いちやっていたら時間がかかります。
KAWAI さん、見ていたら良い方法コメントしてください。
音符の片方がないタイやスラーを表示する
アタッカなどで楽章にまたがるタイやスラーを入れる時など、音符の一方がない場合があります。タイやスラーは、始めと終わりの2つの音符がないと引けません。このような時は、発想記号の中にあるこのマークを使います。
タイやスラーの始めの音符をクリックして決め、伸ばしていき、適当なところでクリックして止めます。
このように入ります。
次の楽章に入る音符はこれとは逆の操作をします。つまり、入ってくる方向の何もないところをクリックして決め、終わりの音符でクリックするわけです。
2022年10月29日追記
この方法は現在できません。(スコアメーカーPlatinumの場合です)
左側の繰り返しのところから右側の繰り返し先に、タイやスラーでつなげたいのですが、これまでのようにできません。
左のように、タイを繰り返し先に戻ってつなげるとできるのですが、右のように、繰り返し先にまで表示されて美しくありません。また、スラーではうまくいきません。
そこで次のようにしました。
後ろに音符を追加してタイやスラーで繋げます。小節の長さをなるべく変えないようにするには、短い音符がいいでしょう。エラー表示で赤くマスキングされていますが、エラー表示を消せば消えます。
追加した音符を、コントロールキーを押しながら選択してプロパティを表示させ、「発音」のチェックをはずし、「マスク」にチェックを入れます。
マスクしたので、追加した音符は表示されません。
「エラー表示」をはずせば、このようにきれいに入りました。「発音」のチェックをはずしたので、演奏しても問題ありません。
2022年10月29日の追記はここまで。
以降は、スコアメーカーPlatinum で試したものです。
パート譜に他のパートのメロディーを小さく表示する
パート譜を作成していて、長い休符のあと出る時に、他のパートのメロディーがあるとわかりやすいことがあります。他のパートの音符を小さく表示するにはどうしたらよいのでしょう。
小さく表示したい音符を選択して右クリックし、プロパティを表示します。「サイズ」が100%になっていますので、これを適当な数字にしてエンターキーを押します。
このように小さく表示されます。
シフト・キーは、水平やに線をそろえる時にも使える
多くのツールやアプリケーションでは、シフト・キーを使うと線を水平や垂直に引いたり、範囲を真四角に選んだりすることができることが多いです。PowerPoint、Photoshopなどで経験しています。
スコアメーカーでも、線を水平になるよう調整するとき、シフト・キーが使えることがわかりました。
右下の3連符のかぎ括弧を水平に揃えてきれいにしたいと思います。
それには、3連符をクリックして選択します。
かぎ括弧の両側に、ポインターの□が表示されます。今は右側の□を上げて水平にします。うまく□の中心をクリックしないと、かぎ括弧全体が上がってしまいます。
右側の□をとらえてスライドしますが、水平になるようにするには慎重を要します。
ここで、シフト・キーを押しながらスライドすると、うまく水平のところで止まってくれます。
かぎ括弧が水平に整いました。