丸川環境相の松本での講演で「基準となる被ばく線量を年間1ミリシーベルトとしたのは、何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」という趣旨の発言をして、時の環境大臣の民主党細野豪志氏が追及していますが、私は丸川環境相と同じ考えです。
私の以前のブログ
でも紹介しましたが、オックスフォード大学名誉教授のウェード・アリソン氏は、月100ミリシーベルトに基準を引き上げるべきとも述べています。
放射線量と人体への影響は直線的ではなく、ほとんどの自然現象と同じく、ある閾値を境に急激に人体への影響が現れるようになってます。これは、科学者なら誰でも知っている事実です。年間1ミリシーベルトはこの閾値のはるかに下のレベルなのです。
そもそも年間1ミリシーベルトに決めたのは、国際放射線防護委員会(ICRP)の提唱している基準をそのまま適用しただけです。この基準は平常時の基準であって、非常時はこれより高い基準にすべきところを、時の環境大臣が何の考慮もなく適用したところに、福島第一原発周辺の住民の長期避難という不幸の原因があると私は思っています。
そもそもICRPの基準も、科学的根拠がないように思います。多くのサイトで指摘しているように、普通に私たちが自然界から浴びている放射線量が、年間1ミリシーベルトをすでに超えています。従って年間1ミリシーベルトの基準は、何の科学的根拠もないということになります。しかるに、ICRPの年間1ミリシーベルトに誰も疑問を持たない。ここに現在の不幸があると思うのです。