「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられ、2015年12月3日に地球によるスィングバイで方向変換と加速をした後、地球から約3億km離れた、地球と火星の間に軌道をとる小惑星リュウグウに、2018年6月27日に到着しています。
はやぶさ2はその後、リュウグウから20kmのホームポジションを保ちながら、ローバMINERVA-Ⅱ1(フランス、ドイツ共同開発)の着陸、ターゲットマーカの投下の後、タッチダウンのリハーサルを行った後、2019年2月22日8時ごろにタッチダウンに成功しています。
タッチダウン後は、リュウグウ表面に弾丸を発射して、舞い上がった砂埃を採取した後、リュウグウを離れてホームポジションに戻っています。リュウグウの表面に長くとどまらないのは、太陽があたっている表面の温度が100℃近くなるので、機器類破壊を防ぐためのようです。
はやぶさ2はこの後、3月~4月にリュウグウにクレーターを生成して、小惑星のより深い所のサンプルを収集し、しばらく留まった後、11月~12月にリュウグウを出発して、2020年に地球に戻ってくる予定になっています。
2003年5月9日に打ち上げられた「はやぶさ」の時は、イオンエンジン4台中2台が故障し、姿勢制御装置(リアクションホイール)3基中2機が故障していました。この状態でタッチダウンをしたが、タッチダウンはしたものの、その後の通信がうまくいかず、化学推進エンジンの燃料漏れにも遭遇しました。太陽電池パネルも太陽の方向に向かず電池切れの状態になりました。さらに、アンテナの向きも定まらず制御不能となり、一時行方不明となりました。
必死の捜索の結果、はやぶさから送られてくる1ビットのわずかなパルスからようやく存在をつきとめて、姿勢を立て直しました。地球帰還の軌道修正をして、予定より3年遅れて、2010年6月13日夜、オーストラリア上空でサンプリングカプセルを切り離して、満身創痍のはやぶさ自身は長い尾を引く流星となって燃え尽きています。
このはやぶさの打ち上げから帰還までを記録したものが「はやぶさの大冒険」で、感動的な本でした。
「はやぶさ2」にも今後どのようなドラマが待っているのでしょう。注視していきたいと思います。