小惑星りゅうぐうの砂のサンプルを回収したはやぶさ2が地球に帰還しました。
はやぶさ2は2020年12月午後、地球から22万キロメートルで、りゅうぐうの砂のサンプルの入ったカプセルを切り離しました。カプセルは6日午前2時半に大気圏に突入し、3000度の熱に耐えて火球となって落下し、パラシュートで減速してオーストラリアのウーメラ砂漠に舞い降りました。
カプセルは、落下後しばらくして発見され、日本に届けられています。
はやぶさ2はカプセルを切り離した後に、次の目的の小惑星に向けて旅立ちました。
はやぶさ1の劇的な帰還を思い出す
はやぶさ2の前には、はやぶさ1がありました。この時は「はやぶさ」と呼ばれていました。
小惑星のサンプルリターンの目的で、2003年5月9日に打ち上げられ、幾多の困難を乗り越えて小惑星「いとかわ」の砂のサンプルを採取して、2010年6月に地球に帰還しました。4基のイオンエンジンのうち3基は働かなくなり、残る1基で満身創痍の状態で帰還しました。それでもサンプルの入ったカプセルを降下予定のウーメラ砂漠に向けて切り離し、自身は火球となって夜の空に消えました。
はやぶさ1の打ち上げから夜空に流星となって消えるまでの詳細を記した書籍がここにあります。
はやぶさ1も、カプセルを切り離したあと、次の小惑星に向けて旅を続ける予定でしたが、満身創痍で力尽きて夜の空に消えました。その感動的な写真があります。
はやぶさ2はどのようなドラマがあるか
はやぶさ2もどのような感動的なドラマがあるか期待していました。
はやぶさ2はりゅうぐうの砂のサンプルの入ったカプセルを切り離した後、予定通り次の小惑星に向けて旅立ちました。JAXAのホームページには、はやぶさ2の地球からの距離が刻々と刻まれています。
12月15日19時51分現在、すでに地球から377万キロメートル離れています。打ち上げからもうすぐ53億キロメートル走行し続けていることになります。
これから目的の小惑星まで11年間の孤独な旅が続きます。そう思うとはやぶさ2が愛おしく思えます。これからもはやぶさ2の大冒険が続きます。