今年(2022年)6月、TikTokがアメリカ人のデータを中国に流すバックドアを仕込んでいると報道されました。TikTokは、アメリカ人データをアメリカにあるサーバーで管理するなどして疑惑を否定していますが、サーバーには中国からアクセスできるなどセキュリティ上の問題は解決していません。
TikTokがアメリカ人のデータを中国に流すバックドアを仕込んでいるとの報道|au Webポータル経済・ITニュース (auone.jp)
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2023年5月、次の記事も公表されました。疑惑は十分にあると思います。
TikTok親会社を解雇された元幹部が「中国共産党がデータにアクセスするためのバックドアがTikTokに仕込まれていた」と主張 – GIGAZINE
それでは日本人データはどうなのでしょう。日本人データだって同じことが言えるに違いありません。TikTokは極めて危険なアプリと言えるでしょう。どんなにTikTokが安全性を保障したとしても中国人のやることです。裏で何が行われているかわかりません。中国政府は、敵対している国の情報を提供した者に多額の報奨金を与える制度があります。私たちの気が付かないところで、私たちの個人情報が盗まれている可能性は高いと見るのが当然でしょう。
TikTok なぜこんなに人気があるのか
スマホを操作していると、TikTokをインストールしろという画面がうるさいほど現れます。とりあえずインストールしとこうと「インストール」をタッチしてしまう人が多いのではないだろうか。
TikTokは中国企業ByteDanceが運営する動画に特化したSNSです。
TikTokの利用者は、全世界では2021年時点で10億人、日本では2019年時点で950万人と言われています。なぜこんなにも多いのだろうか。
TikTokは、15秒から1分ほどの短い動画を撮影・編集・投稿できるアプリです。撮影するときに速さを調節したり、アプリ内に実装されている特殊効果を活用して、ユニークな動画を作ることもできます。この動画にBGMをつけることもできます。動画投稿サイトではYoutubeが以前から有名ですが、Youtubeには動画の撮影・編集機能はありません。
このように、簡単に動画を作成・投稿できることが人気の第一でしょう。そして人気の第二は、有名人がこのアプリを使って動画を投稿していることです。
TikTokの危険性についてさまざまな考えがある
TikTok(ティックトック)見るだけの利用は可能?危険性は?安全に見る方法も紹介 | arrows life (fcnt.com)
これによると、機能に制限はあるものの、アカウント登録せずにTikTokの動画を見るだけならば安全と説明しています。
TikTokの危険性は?見るだけでも危険?安全性や対策方法、注意点を解説│studio15 times
ここでは、TikTokにアカウント登録して動画を投稿したり他の利用者の投稿にコメントしたりするときの危険性について記述しています。
Nortonからも次の記述をしています。
TikTokはホントに危険? 8つのリスクとその対処法を解説 (norton.com)
ここで記述されている危険性も上の記事とほぼ同じ内容です。いずれも、セキュリティに関して、Youtubeなどの他のSNSと同じことがほとんどで、TikTokだから特に危険ということではありません。顔出しや、撮影された周囲の映像から個人を特定されることは、他のSNSでも同じで、TikTokに限ったことではありません。一番の危険性は、開発・運用が中国の企業だということです。このことについては、このあと詳しく考察します。
TikTokの最大の危険性はアカウント登録することにある
私はTikTokの最大の危険性は、アカウント登録をすることにあると思います。アカウントを非公開設定にしても同じです。なぜなのでしょう。
中国では、2017年に「中華人民共和国国家情報法」が施行されています。(不思議なことにこの年に、ByteDanceがTikTokの提供を開始しています。何か関係がありそう。)
この国家情報法の中で、「情報活動への協力義務及びその報酬・権利保証」として、次のように規定しています。
- いかなる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない。国は、国家情報活動に対し支持、援助及び協力を行う個人及び組織を保護する(第7条)。
- 国の情報活動は、法に基づいて行い、人権を尊重及び保障し、個人及び組織の合法的権利利益を守らなければならない(第8条)。
- 国は、国の情報活動に大きな貢献のあった個人及び組織に対し、表彰及び報奨を行う(第9条)。
中国に有益な情報を提供することを推奨し、提供した者には報酬を授けると言っています。実際、中国の国外留学生には、中国に有益な情報提供を義務付け(つまりスパイ行為)、提供した者には帰国後高額な報酬が支払われているようです。
中華人民共和国国家情報法に呼応するかのように、TikTokのプライバシーポリシーの中の「お客様の情報の共有方法」として、以下の記述があります。
お客様の情報の共有方法
当社はお客様の情報を以下の特定の第三者と共有します。
(中略)
法執行機関
当社は、法的に要求される場合、または以下の目的のために合理的に必要な場合、法執行機関、公的機関またはその他の機関とお客様の情報を共有します。
・法的義務、手続き、および要請を遵守するため
・当社のサービス規約、その他の契約、ポリシー、および基準を執行するため(これらの潜在的違反の調査を含みます)
・セキュリティ上の問題、詐欺的行為、または技術的な問題の発見、防止、またはその他の取組みのため
・法により要求または認められた、当社、当社のユーザー、第三者または一般の人々の権利、財産または安全を保護するため(詐欺的行為の防止およびクレジットリスクの回避を目的とした他の企業や組織との情報交換を含みます)
TikTokは法執行機関、つまり中国政府と情報を共有することがあるとはっきり言っています。つまり、私たちのアカウント情報を中国政府が利用できると言っているのです。
ここに書いてあるプライバシーポリシーは、TikTokに限らず他のSNSでも同じでしょう。しかし、運営しているのが中国の企業という点が違います。中国政府は裏では何をやっているかわかりません。
上にも記述したように、中国には、適性国の有益情報を政府に提供した者には多額の報奨金が支払われる制度があります。中国からの留学生は、この制度を利用して日本に留学して極秘情報を中国政府に提供して裕福になっている者が大勢います。日本への留学に人気があるのはこのためです。
次の記事では、イギリス・アメリカが中国人留学生を警戒しているのに対して、スパイ防止法のない日本では、中国人留学生を全く警戒していないどころか好待遇している実態がわかります。
中国人留学生には航空券や月14万円を支給…スパイ防止法がない日本、「外国人は好待遇」の謎【元国連職員が解説】(幻冬舎ゴールドオンライン) – Yahoo!ニュース
ここまで見てくると、TikTokがアメリカ人や日本人の個人情報を中国政府に提供して多額の報酬を得ていることが歴然としてきます。
さらに恐ろしいのはTikTokアプリをインストールすること
冒頭で記述した事件は、個人情報取得ではありません。TikTokアプリをインストールすることによってバックドアが仕込まれることです。バックドアが仕込まれると、不正アプリが次々とインストールされます。今は何事もありませんが、今後中国政府が何かの機密情報を得たいと思ったら、その情報を収集するアプリを流して、仕込まれているバックドアから取り込まれて役割を遂行することができます。
便利だから、おもしろいからという理由だけで安易にTikTokをインストールしてはいけません。特に若い人は、何も知らずにTikTokをインストールして楽しんでいるでしょう。それが中国政府のワナです。新型コロナウイルスが、私たちの知らない間に中国共産党の陰謀で全世界にばらまかれ、気が付いたらもう手の施しようもないほどにまん延していたと同じことが、今度は別の形で生じる可能性があるのです。
TikTokアプリは絶対にインストールしてはいけない
アプリをインストールしただけでリスクが格段に高まります。
まず注意すべきなのは、政府や自治体の職員、自衛隊、警備会社の社員など、機密を扱う職業に就く人は、絶対にTikTokアプリをインストールするべきではありません。機密情報が中国政府に筒抜けとなるかもしれません。
一般の人はどうでしょう。一般の人の個人情報などは相手にしていないと思われます。しかし気がかりなのは、2023年3月に「国家データ局」が設立されたことです。ここで大きな役割を果たすのが「ビッグデータ」です。私は、TikTokの個人情報が、ビッグデータとして使われるのではないかと睨んでいます。
どのように使われるか、それは全くわかりません。私の全く奇抜な発想なのですが、こんなことも決してありえないことではありません。
台湾、日本の侵略に有効活用される
最近、中国の台湾侵略の動きが目立っています。日本のEEZ域内にもたびたび進出しています。近い将来中国の侵略があると私は危惧しています。
その時役立つのが、個人情報のビッグデータです。ビッグデータで台湾の人たちや日本人の行動様式などを分析したり、その中から機密情報を盗み出し、どのような侵略が最も有効かを分析するのです。
次のSARS-CoV-2(いわゆる新型コロナウイルス)の有効拡散方法を探る
3年以上にわたり世界中を混乱に陥れたSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)、私は中国が意図的に生成して拡散したと信じています。
中国は、次のSARS-CoV-2のようなウイルスの準備をしているかもしれません。これを自国以外の全世界に効果的に拡散させるために、TikTokの個人情報ビッグデータを活用します。ビッグデータで、国ごとの人々の行動様式を分析できます。
中国秘密警察に個人情報が流れる危険性
これは奇抜な発想ではなく、実際あり得る問題です。
2023年4月17日には、米司法省が、ニューヨーク・チャイナタウンの雑居ビルに入居していた中国の「非公式警察」の関係者2人を逮捕したと明らかにしています。
ニューヨークで初摘発された中国秘密警察の実態…日本国内にある中国秘密警察に対応はできないのか?|FNNプライムオンライン
中国の非公式警察は、中国当局が在外中国人を監視するため、日本を含む欧米諸国53カ国、102カ所に設置しているとされています。一般団体・企業や中華料理店などに偽装し、通常の企業や団体とみわけがつかないようです。日本にも、東京・秋葉原と、福岡に拠点があるようですが、その他にも数か所あるといううわさです。
私が想像するのは、TikTokの個人情報がこの秘密警察に渡っているのではないかということです。個人情報だけでなく、TikTokに移った動画からも、当局に都合の悪い在外中国人の情報を引き出すこともできます。
動画から情報を盗まれるのは他のSNSも同じですが、運営しているのが中国企業という点が違います。個人や場所を特定できるような画像にはボカシなどを施しますが、これは電子的に加工しているだけのことで、元画像は残っているはずです。管理者は、見ようと思えば見ることができるでしょう。こうして、中国当局に通報されてしまうのではないかと思います。
なぜTiktokはこんなに広告に力を入れるのか
それにしても、スマホのTiktokのインストール広告は目障りなくらい多い。目を引くような若いきれいな女性のセクシー写真を出してインストールを促している。この広告費は莫大なものになるだろう。一企業が宣伝広告費に使える額ではない。
この資金はどこから出ているのだろう。私は中国政府から援助があると思っています。それだけ中国政府は、日本さらには西側諸国の個人情報が欲しいのです。私たちの個人情報は、絶対に中国政府に流れている。
米国ではTikTok疑惑再燃
一旦は下火になっていた米国でのTiKTokに対する疑いが再燃してきている。
TikTokのCEOを厳しい質問攻め、米公聴会での初証言に見る5つのポイント – CNN.co.jp
TikTokの扱っている情報は他のSNSと変わらないが、中国の企業が運営している限り、中華人民共和国国家情報法を免れることはできない。
TikTokのチュウCEOは疑惑を否定しているが、米公聴会の議員は誰一人として信用していない。中国企業が運営している限り、信用することができないのは当然だろう。今まで問題なかったとしても、これからどのようになるかわからない。背後に中国共産党がいることを忘れてはいけない。
中国企業の通信機器には要注意
TikTok以外にも、中国企業の通信アプリ、通信機器には注意が必要です。
米国では以前からファーウェイ(HUAWEI)が問題になっており、2021年11月11日には「中国製通信機器の排除法」が成立して、ファーウェイを含む中国の通信機器メーカーの認証を禁じています。この法律の中にも含まれていると思いますが、Xiaomi(シャオミ)も要注意と思います。
まだ被害は報告されていませんが、どのような危険が潜んでいるかわかりません。その根拠は「中華人民共和国国家情報法」です。中国共産党の要求があれば、中国企業は情報提供をする義務があります。
私たちが気を付けることは、このような中国企業の通信機器や通信ソフトを使っている場合は、個人情報やセキュリティ上重要な情報を保存しないこと、これらの情報をやりとりしないことです。
私は2年前に移転して、光ファイバーを切り替えるまでの間、レンタルWiFiルーターを契約しましたが、送られてきたのがファーウェイの端末だったのですぐに返却して、他のレンタル会社に変えました。
補足 2023年9月
新たな脅威 TikTokの偽情報拡散
2023年9月、日本は、福島第一原発にたまり続ける放射性汚染水を、放射性物質を技術的に可能な範囲で除いたALPS処理水としたうえで、さらに海水で薄めて海洋放出を開始しました。IAEAもこの計画を承認しています。
しかし、中国はこの計画に執拗に反対し、日本産水産物の輸入禁止にまで発展しています。これをいいことに、中国人は日本に嫌がらせ電話を発信したり、TikTokで偽情報を流しています。それがフォロワーの投げ銭となり、発信者が莫大な収入を得ているという実態となっています。
「なぜ汚染水を海に流すのか」日本へのイタズラ電話で“投げ銭ゲット” 中国インフルエンサー配信の「罪深い仕組み」とは…
“あぁ中国”この厄介な隣人
中国政府はこれを野放しており、これがさらなる偽情報拡散にエスカレートしています。こうしたTikTokの偽情報が、日本そして全世界の若い人たちに与える影響は計り知れないでしょう。
次の同じ危険性を指摘しています。
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