バイオリン演奏に欠かせないフラジオレット(ハーモニックスとも言う)は魅力的ですが、自由に弾きこなすには難しい技術です。
フラジオレットには「自然フラジオレット」と「人口フラジオレット」があります。
人口フラジオレットは、1の指で目的の音をしっかり押さえて、4の指で完全4度上の音に軽く触れるることで、どの音でも1で押さえた音の1オクターブ上のフラジオレットを出すことができます。(ただしハイポジションになると出しにくくなります)しかし、1の指をいちいち移動しなければならないので忙しくなります。
これに対して自然フラジオレットは、開放弦の特定の位置に軽く指で触れるだけで音を出すことができます。しかし弦によって出る音が限られています。したがって、人工フラジオレットと効率的に組み合わせることによって演奏を楽にできる場合があります。
ここでは、自然フラジオレットの原理を理解して、自然フラジオレットの一覧を作ります。
次のサイトを参考にしています。
自然フラジオレットの原理
自然フラジオレットは、開放弦の長さを2等分、3等分……する節目のところを軽く触れることによって出すことができます。指で触れることによって開放弦全体の振動が遮られて倍音が鳴るわけです。
では、実際はどのような高さの音になるのでしょうか。Gの弦で見てみましょう。
Gの倍音がどのように振動するかを示した図です。赤い菱形で示した節の所に軽く触れると、倍音に応じたフラジオレットの音が得られます。この節の位置の音が、右の五線の菱形の音符になります。この実際のフラジオレットの音が、右側の2小節目の音になります。
4等分のCの音に注目してみると、これはGから完全4度になります。人口フラジオレットは、1の指で目的の音をしっかり押さえて、4の指で完全4度に触れます。1でしっかり抑えた弦の上の部分は開放弦と同じですから、人工フラジオレットのしくみが理解できます。
理論的には6等分・・・もありますが、ポジションをとるのも音を出すのも難しいので、5等分までにします。
各弦の自然フラジオレット
4弦各弦のフラジオレットを整理してみましょう。下のようになります。位置関係がわかりやすいように、あえてオクターブ記号は使いません。
E弦(Ⅰ弦)
A弦(Ⅱ弦)
D弦(Ⅲ弦)
G弦(Ⅳ弦)
これらを見るとわかりますが、自然フラジオレットは各弦の開放弦の主和音になっています。