スコアメーカーは、作成した楽譜を演奏させることができます。つまり、DTMの機能もあります。どれくらい実際の楽器に近い演奏ができるのか、試してみました。
楽譜は、かたかわみちおさんの「いつかきっと」という詩集の中にある、「月の娘」という美しい詩に私が作曲したものです。出だしはこんな感じです。
音色の決定
DTMでまず重要なのは、音色の選択ではないでしょうか。パートを選択してプロパティを開き、「音色」をクリックして表示されるリストの中から選択します。
ここでは、ピアノのパートに、「コンサートグランド2」を選びました。
さすがにKAWAIのスコアメーカーですから、ピアノ系の音色は良いと思います。しかし、弦楽器や管楽器の中には、実際の楽器の音色に近くないものがあります。やはり、有料の音源にはかないませんね。
ここでは、ピアノの他にバイオリン、ビオラ、チェロ、オーボエ、フルートを使用しています。
バイオリン、ビオラはソロよりもストリングアンサンブルがよいと思います。ソロの音源はバイオリンやビオラらしくありません。バイオリンアンサンブルもありますが、ストリングアンサンブルの方が実際の音に近いと思いました。
チェロはチェロアンサンブルを使用しました。これもソロよりは実際のチェロに近いと感じました。
オーボエとフルートは、実際の楽器に近いと思います。
音色は決まりました。
音色パラメータの設定
次に音色パラメータを設定します。
音色パラメータは、プロパティの中にあります。
弦楽器はビブラートをつけるとよいです。フルートもビブラートをかけるとよくなります。オーボエは音色的にかけない方がよいでしょう。
これはバイオリンです。
デプス(ビブラートのピッチの変化の幅)は、曲の感じからやや小さくします。大きすぎると演歌のようになってしまいます。
レイト(ビブラートの周期)は、速くしています。これも遅いと演歌のようになってしまいます。
ディレイ(ビブラートがかかり始めるまでの時間)は、ほんの少し遅くしています。
他の楽器についても、実際の感じを確かめながら調整していきます。
ミキサーによる設定
ミキサーでいろいろ設定してみましょう。
このような設定にしました。
リバーブ(REV)は、残響音の効果を表現するエフェクターです。各楽器に少しかけてみました。
コーラス(CHO)は、ピッチをほんの少しずらした音を重ねるエフェクターで、ソフトな感じになります。バイオリンとオーボエにかけてみました。
楽器の音量バランスの調整
同じフォルテでも、楽器によって音量の感じが違います。メロディーを演奏しているパートは強くする必要があります。きれいに聞こえるように、強弱記号すべてに強さを調整する必要があります。
強弱記号を選択して右クリックしてプロパティを表示します。ベロシティー値を変更します。ここでは、バイオリンの高音域をかすかに聞かせるように小さい値を設定しました。ほとんどすべての強弱記号に変更が必要です。
また、バイオリンに薄くフルートやオーボエを重ねるとよい音になることがあります。
このようにして、試行錯誤を繰り返して完成したものに、動画編集ソフトで画像や字幕を入れてYoutube に公開しました。