立春の過ぎた昨日2月4日に、気象庁は関東地方に春一番を発表しました。観測史上最も早い春一番となりました。
春一番の定義は地域によって異なるが、関東地方では立春を過ぎてから、日本海に低気圧があって風速8メートル以上の風南風が吹き、気温が前日より上昇した状態とされています。
今年の立春は2月3日でしたので、まさに立春過ぎてすぐの春一番になりました。春一番の風は暖かい南風を連想しますが、昨日の風は寒く感じました。まだそれだけ暖かくなっていないということでしょうか。
それではこれまで最も早かった春一番はいつでしょう。それは、1988年の2月5日でした。1日早い春一番でした。
今年の立春は1897年以来124年ぶりの2月3日でした。この間2月4日が立春でした。そうしますと、1988年2月5日の春一番も立春の次の日ということで、暦の上では今年の春一番は、今までもっとも早かった春一番と同じ日ということになります。
春一番は何か希望のある言葉に聞こえますが、実は春一番の起源には悲しく恐ろしいことがあるのです。
気象予報士の岩谷忠幸さんの
春一番の塔
長崎県壱岐市郷ノ浦は、春一番発祥の地とされている。ここにある「春一番の塔」は、1859(安政6)年の春に59人の漁師が突風で遭難した歴史をふまえ、海上の安全を見守るために建てられたものだ。春一番は、もともと日本海側の西日本の漁師たちが使っていた言葉。昔から漁師の命を奪うとして、恐れられていたのである。
春一番が暖かい春のイメージを与えるようになったのは、1976年にヒットしたキャンディーズの「春一番」の影響が強いのでしょう。