猫や犬などペットは私たちに癒しを与えてくれます。淋しさを紛らせてくれます。孤独なご老人がペットを飼うことも多いでしょう。老人ホームで犬や猫が老人たちの相手をしている光景をよくみかけます。 ペットと目が合っている時、オキシトシンという愛情ホルモンが分泌されて、これは認知症予防効果もあるようです。しかし、ペットを飼うにはそれなりの心構えが必要です。可愛いから、淋しいからといて、気楽にペットを飼い始めるのは考えものです。飼うからには最後までめんどうをみてあげなければいけません。毎日食事をあげるのはもちろん、犬の場合は散歩に連れて行ってあげなけれがいけません。長い旅行に行くことも我慢しなければいけません。ペットを飼うことについて一度考えてみましょう。
ペットにもいろいろあります。猫、犬、うさぎ、ハムスター、オーム、インコ、その他の小鳥・・・。ここでは圧倒的に多い猫と犬について考えてみましょう。
なお、このページの作成にあたって下記サイトも参考にしました。詳細はこちらをご覧ください。他の小動物のペットについても記述されています。
ペットを飼うときの注意
猫を飼うときの注意
健康管理をきちんとしてあげることが必要です。たとえば、伝染病の予防接種(混合ワクチン)、フィラリアの予防薬の投与、また必要に応じて避妊手術や去勢手術をしてあげます。
一緒に生活をするためにしつけも必要です。ほとんど家の中で過ごすことになりますから、トイレのしつけが大切です。猫は一度トイレを覚えると必ず決められたところでトイレをします。きれい好きですので、トイレはよく掃除をして、トイレ砂はよく取り替えてあげましょう。
ここに紹介するトイレ砂はとても便利で、私の猫ちゃんが愛用しています。紙でできているので水洗トイレに流せて処理が簡単です。ただし大量に流すと水洗トイレが詰まる恐れがありますので、汚れた部分だけ水洗トイレに流して、残りは燃えるゴミとして出しています。
ツメで家具やカーテンなどをかかれることがありますので、猫用のツメとぎを用意して使い方に慣れさせます。柱などをかこうとしたら、ツメとぎの上に手をもっていってとぐまねをしてあげると慣れます。それでも時々ツメ切りでツメを切ってあげましょう。ツメの縦の方向から切るとツメが割れますから、横の方向から切るようにします。
猫は毛づくろいで自分の毛を舐めるので胃の中に毛が入ります。その毛を取るために時々イネ科の草を食べて毛と一緒に吐き出します。猫にも野菜が必要です。いつも食べられるように用意しておいておあげましょう。私はエン麦の種を買って小さな鉢に蒔いて育ててあげています。
一日の大部分を眠って過ごすので、 静かで薄暗くてあたたかいベッドを作ってあげるとさらによいでしょう。ベットの大きさは、猫が丸まって眠ることができるほどの大きさです。
犬を飼うときの注意
犬を飼う上で忘れてならないのは、生後91日以上たったら登録をすることと、毎年1回狂犬病の予防注射をすることで、これは法律で義務付けられています。狂犬病の予防注射は、動物病院か市区町村の集合予防注射会場で受けます。その他伝染病の予防接種(混合ワクチン)、フィラリアの予防薬の投与、必要に応じて避妊手術や去勢手術などをしてあげます。
犬はしつけが大切です。常に飼い主がリーダーであるという意識を犬に植え付けておく必要があります。これが崩れると「権勢症候群」という状態になり、言うことを聞かなくなります。
犬は本来群れを作って生活する動物であるため、上下関係が重視される動物です。 そのため、飼い主が頼りなかったり命令がわかりにくかったりすると、「自分がリーダーシップをとらなければ」と思い込むようになって、無駄吠えや散歩を催促して吠え続けたり、散歩のとき強引に綱を引っ張るような行動にでるようになります。
犬は吠えますから、近所の人との関係も大切です。「権勢症候群」でなくても、老衰してくると昼夜を問わず遠吠えしたりするようになります。このような時も隣人の理解を得られるよう普段からの良好な近所付き合いも大切となります。
犬の無駄吠えをやめさせるこのようなグッズもあります。[PR]
犬もイネ科の草などの野菜が必要です。ただ散歩のときに食べることが多いので、毎日散歩に出している場合は必要ないでしょう。家の中だけで飼っている小型犬の場合は時々あげる必要があります。
食事についての注意
ペットは家族の一員ですから、食事についても大切に考えましょう。昔から「ネコマンマ」などと言って、ご飯に味噌汁をかけたような食事では可愛そうです。犬も猫も肉食動物ですから、魚や肉を主体とした食事を与えなければいけません。炭水化物を多く与えるとうんちが臭くなります。 人間にとって普通の食べ物でも、犬や猫にとっては塩分のとりすぎになりますので、気を付けましょう。味のついていなもの、あるいは味の薄いものをあげるべきです。味の濃いものを与えると、今までのペットフードなどは食べなくなります。 また、ペットによって注意しなければいけない食べ物があります。
猫にとって注意しなければいけない食品
●ユリ科の植物(中毒を起こすことがある)
●甲殻類(カニ・タコ・エビ・イカ等)(消化不良を起こす)
●糖分・チョコレート (糖尿病になりやすなる。特にチョコレートは テオブロミンという有害な成分を含んでいる)
●骨付きの魚・骨付きの鶏肉(骨がのどに引っかかる)
●貝類・牛乳(消化不良を起こす)
●豚肉(豚肉をあげる場合は必ず火を通して)
猫は好奇心が旺盛なため、手でもてあそぶことによって、手や体についたものを舐めて事故にあうことがあります。屋外など目の届かない所で、除草剤、殺鼠剤、漂白剤を舐めて中毒になることがありますから気をつけましょう。
犬にとって注意しなければいけない食品
●ネギ類(タマネギ・長ネギ・ニンニクなど)(中毒をおこす)
●ブドウ類やキシリトールの含まれるガムや菓子(中毒をおこすことがある)
●甲殻類(カニ・タコ・エビ・イカ等) (消化不良をこす)
●牛乳(過剰にあたえると消化不良をおこす)
●魚・鳥等の骨(骨がのどに引っかかる。特に鳥の骨は危険)
●刺激のある食べ物(わさび・唐辛子など)
犬は口にくわえて確認する習性があるので、誤飲や誤食による事故が多いです。
ペットの健康管理
犬や猫は言葉で体の不調を訴えることができないので、重大な病気が見過ごされてあとで取り返しのつかないことになります。異変を見つけたら動物病院に連れて行って診てもらいましょう。そのためには、近くの動物病院を探してかかりつけ医になっていただくのがよいです。
ペットの治療費にはもちろん人間の健康保険が適用されません。病気になると治療費がかさみます。予防接種などで予防しておくことが一番です。さらにペットの健康保険もありますので、インターネットで検索してみるとよいでしょう。
ペットにどのような病気があるかみてみましょう。
猫の病気
ウイルス性の伝染病
パルボ、カリシ、ヘルペス等のウイルス性伝染病があります。病気の猫と接触しなくても、人や昆虫に運ばれて感染することがありますので、室内で飼っている場合も感染することがあります。猫がウイルス性伝染病にかかった場合、ウイルスを殺す薬はありませんので予防するしかありません。予防には混合ワクチンの接種が必要です。
歯周病
歯石ができて歯槽膿漏になり、歯が抜けてしまいます。大きくなってからでは嫌がって難しいので、小さいうちから歯磨きの習慣をつけさせるのがよいでしょう。私の飼っている猫も歯槽膿漏になってしまいました。今からでは歯磨きするのは難しいです。
尿石症
猫は水をあまり飲まないので濃い尿を排泄します。マグネシウムとリン酸が結晶化して尿石症になることがあります。尿道につまると尿毒症になり、数日で死亡することがあります。予防にはマグネシウム成分の少ない食事を与えることです。ドライフードなどの成分を確認しましょう。
犬の病気
狂犬病
どなたでもご存じの狂犬病という怖い病気です。狂犬病に感染している犬に咬まれると高い率で死亡に至りますから法令で狂犬病の予防接種が義務付けられています。
ウイルス性の伝染病
ジステンパー、パルボといったウイルス性の伝染病があります。人や昆虫に運ばれて感染することがありますので、室内犬でも予防が必要です。予防は混合ワクチンを接種します。
フィラリア
蚊によって媒介される寄生虫で犬の心臓に寄生します。感染すると治療法はありませんので、予防するしかありません。予防は、蚊の出る季節に月に1回薬を投与します。動物病院で確認するとよいでしょう。
歯周病
歯石ができて歯槽膿漏になり、歯が抜けてしまいます。大きくなってからでは嫌がって難しいので、小さいうちから歯磨きの習慣をつけさせるのがよいでしょう。
最近多い「遺伝性疾患」を持ったペットに注意
遺伝性疾患とは、遺伝子に変異が起きて引き起こされる病気です。親から子に引き継がれるため、ペットを繁殖させて利益を得ているブリーダーの元にこの遺伝子を持った親がいると、たくさんの遺伝性疾患を持ったペットが供給されるということになります。
特に犬に多いようで、中でもダックスフンド、プードル、シーズー、シュナウザーなど人気の犬に多くみられるようです。症状としては、進行性網膜萎縮症、遺伝性白内障など多数あります。詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.anicom-page.com/all_education_details?type=14&id=204
遺伝性ですから、原因の多くは先ほどのブリーダーが大量にこのような疾患を持ったペットをペットショップに卸していることになります。ペットショップで血統書付きのペットを飼うより、知り合いなどから雑種をもらう方が、悲しまずに済みますね。ブリーダーの中でも、最近は検査を受けて、疾患のある遺伝子を持った親に交配させないところもあるようです。そのようなブリーダーから育てられた保証書付のペットならば安心ですね。
現在は圧倒的に犬の例が多いですが、空前の猫ブームで犬の人気を追い越しそうな勢いを見ると、今後猫にもこのような疾患が多くなってくることが予想されます。既にスコティッシュホールドで、骨形成不全症が報告されています。
かかりつけの動物病院を決める
ペットが病気になったとき、けがをしとときに診てもらえる近所の動物病院を探しておきましょう。
こちらでも、いろいろ相談にのってもらえるようです。健康管理に関する情報もいっぱいあります。
ペットの増えすぎを防ぐ
ペットは子供を産みます。特に猫は1年に2度もお産をすることがあるので、そのままではどんどん増えていってしまいます。可愛そうだからといって、増えるに任せて飼い続け、何十頭にもなって、経済的にも困窮し、近所からも苦情がくるようになって困りはてる人が増えています。いわゆる「多頭飼育崩壊」と言われている現象です。
子供が生まれてももらてくれるあてもないし、たくさん飼う余裕もない場合は、可愛そうですが動物病院で避妊手術をしてもらいましょう。その方がペットにとっても幸せなことだと思います。
私が子供のころ1匹の三毛猫を飼っていました。そのころは動物病院に行って避妊手術をしてもらうような経済的ゆとりもありませんでしたので、猫の子供が生まれると、箱に入れて石の重しをつけて川に流すのが兄の役目でした。今では動物愛護法で訴えられそうですが、そうするしかなかったのです。子猫を捨てなければいけないことがとても悲しいだけでなく、親猫がいなくなった子供を鳴きながら探し回るのです。それがまた悲しかったです。たとえ殺さなくても、他家の玄関先や空き地に捨てるのも可愛そうです。野良犬、野良猫にするのは可愛そうなことです。
外に出さず家の中で1匹だけ飼っていれば子供の生まれることはありませんが、発情期になると苦しそうに太い声で鳴き叫びます。それを聞いているのも悲しいものです。可愛そうですが避妊手術をしてあげるのが、ペットにとっても幸せだと思います。
ペットの最後を看取る
家族同様に可愛がっているペットですから、最後まで看取ってあげましょう。犬や猫の寿命は人間より短く、元気でいたものが急に老衰してきます。楽に天国に行かせてあげるよう、優しく見守っておげましょう。そして、ペットを失ったときの悲しみと寂しさはとても強いので、覚悟をしておくことも必要でしょう。
ペットの年齢と人間の年齢比較
参考までに犬・猫と人間の年齢の比較を見てみましょう。
詳しくは上のサイトにありますが、おおざっぱな比較表を記載しておきます。
小型・中型犬 | 大型犬 | 猫 | 人間 | |
1か月 | 1か月 | 1才 | ||
2か月 | 2か月 | 3才 | ||
6か月 | 6か月 | 9才 | ||
1年 | 12才 | |||
1年 | 1年 | 17才 | ||
3年 | 3年 | 28才 | ||
6年 | 5年 | 6年 | 40才 | |
15年 | 10年 | 15年 | 76才 | |
16年 | 16年 | 80才 | ||
19年 | 13年 | 19年 | 92才 |
ペットから感染する病気があります
ペットの病気の多くはペットの間でしか感染しない場合が多いのですが、中にはぺットから私たち人間に感染する病気があります。狂犬病などよく知られていますが、日本では例はほとんどありません。日本でありがちな病気を紹介しましょう。
パスツレラ症
あまりよく知られていない病気に、パスツレラ症というパスツレラ菌による感染症があります。今まで知られていなかった感染症で、知らないお医者さんもいるようですが、恐ろしい病気です。
パスツレラ菌の保有率は高く、猫の100%、犬の75%の口の中にいるということです。猫、犬の保有率が高いので注意が必要です。咬まれたり引っ掛かれたりした時に、傷跡が腫れたり化膿して大事に至ることがあります。飛沫感染もあるということですから、かわいいあまり口移しで食べ物をあげたりしないようにしましょう。特に高齢者や糖尿病患者は感染しやすく、重症になることも多いようです。
猫ひっかき病
猫、犬のひっかき傷、咬み傷で菌が体内に入り、数日から数週間の潜伏期間の後、リンパ節の腫脹があり、脳症を引き起こすこともあります。
その他の病気については、下記をご覧ください。
http://eonet.jp/health/healthcare/health72.html
私が一緒に過ごした猫ちゃんたち
人には猫派と犬派があるといわれていますね。私は猫派です。猫と一緒にいると本当に癒されます。しかしその猫を失った時の悲しみといったら・・・。最後に私が一緒に過ごした可愛い猫ちゃんのお話をします。
子供の時に一匹の三毛猫を飼っていました。じゃれあって遊んだり、冬のふとんをほしてある縁側で喉のゴロゴロを聞きながら一日中寝ていたこともあります。可愛い猫でした。 ある時頬の肉がただれる病気になり、しばらくして死んでしまいました。今考えると、大きな歯石ができてそれが頬を突き破るようにしてただれたのだと思います。実は今飼っている猫が同じような状態になり、動物病院で歯石が頬に食い込んでいるためだと説明を受けて、取り除いてもらって治癒しました。そのころは動物病院なんてものは近くになく、また経済的にも動物病院に連れていく余裕などありませんでした。可愛そうなことをしました。兄に頼んで庭の隅に穴を掘って埋めてもらいお墓を作ってあげました。
そのあとずっと猫を飼うことはありませんでしたが、32年ほど前板橋に住んでいたとき、近くのレストランを経営している猫好きの若い夫婦から勧められて子猫を飼うことになりました。スコティッシュ・ホールドと日本猫の雑種で、ビロードのような真っ黒の毛並をしてた猫でした。本当はマンションで飼ってはいけないことになっていましたが、内緒で飼うことにしました。発情期には大きな声で鳴くので、急いで夫婦に紹介された動物病院に行って避妊の手術をしてもらいました。マンションの管理人さんも実はこの時わかってたのではないかと思いますが、大目に見ていてくれたようです。
しばらく板橋のマンションで過ごした後、現在の鴻巣に一軒家を建てて移ってきました。猫ちゃんにもようやく広い場所で住んでもらうことができました。日曜日など朝遅くまで寝ていると、決まって起こしにきます。夜遅くまで飲んで帰ると、「寂しかった」と言いたげに玄関に迎えにきます。可愛い猫ちゃんでした。 しかし16年前の2月の寒い時期、急に老衰が始まり後ろ足が聞かなくなって前足ではって歩くようになりました。日中勤めに出ている間は、前足で必死に階段を登って、2階のヒーターの入っていないこたつで一日中過ごすようになりました。食べ物にも手を付けなくなりました。赤ちゃんの時に親から引き離されたためか、乳をまさぐるように胸をフミフミする癖があってそれがいやだったのですが、そのフミフミもしなくなると淋しくなりました。
動物病院に連れて行ったところ、歯周病が進んでいたのです。歯周病の抗生物質と、体温が下がっているので点滴をしてもらいました。3日ほど点滴に通いましたが、苦しいためか固く歯ぎしりをした際に折れた歯がのどにつかえたようで、私の腕の中で息を引き取りました。16才、人間ならば80才に相当します。息が切れた瞬間ぐにゃりとして、やがて硬直していくのがわかります。この時初めて生き物が死ぬというのはこういうことだと実感しました。庭の隅に穴を掘って埋葬してあげました。埋葬したあと雨が雪になり、墓の上にうっすらと冷たい雪が積もった光景が今でも思い浮かびます。 もう悲しい思いをするのはいやだから猫は飼わないことにしようとこ心に決めました。忘れられるようになるのに3年ほどかかりました。毎年命日には好きだった食べ物と水を供えてあげました。
もう猫は飼わないと決めていましたが、12年前の秋に、子猫が庭に迷い込んできました。飼い主が探しにくることを期待して食べ物をあげていたのですがなかなか現れず、猫も庭のさざんかの木の下の枯草の上で寝泊まりするようになり、私にもなついて足元にまつわりつくようになりました。11月も下旬となり、外ではかわいそうになってとうとう家の中に入れてあげることにしました。それがこの子です。
この猫ちゃんは足にまとわりつく癖があります。移動しようとすると足元にこの子がいてつまずきそうになります。バイオリンを練習しているといつも足元にまとわりついていて、気が気でなりません。それでも前の猫のフミフミの癖と同じで、なくなったら寂しくなると思い好きなようにさせています。
昨年の12月には左の方がただれたので、動物病院でみてもらったら大きな歯石ができて頬にあたって化膿しているということでとってもらいました。歯槽膿漏にもなっています。小さい時から歯を磨く習慣をつけておけばよかったです。この子もあと2、3年でしょうか。いなくなるとまた淋しくなります。いる間に好きなものを食べさせて好きなことをさせてあげたいと思います。