形が悪くても、虫に食われたあとがあっても、自分で作った野菜はおいしいものです。私は、家庭菜園を始めてからスーパーで野菜を買うことがほとんどありません。季節ごとにとれた野菜を食べて、作っていない野菜でどうしても必要になった時だけスーパーで買っています。
コンテンツ 家庭菜園の方法 道具は何を揃えるか 野菜作りで注意すること
家庭菜園の方法
家庭菜園にはどのような方法があるでしょうか。
(2) 近くに狭い土地を借りて野菜を育てる
(3) 郊外にある程度広い土地を借りて野菜を育てる
(4) 大規模な農園を買って野菜を作る(これはもう家庭菜園とは言えないでしょうが)
ベランダ菜園は土地がいりませんが、そのほかの方法で土地を確保するにはどのような方法があるでしょうか。
近くの農家から畑を借りる
私もこの方法で畑を確保しました。農家は今、減反政策で耕作地を遊ばせている所が多いです。ですから、安い年間使用量を払ってそのような農家から畑を借りれば、農家にとっても自分にとってもハッピーです。私は、年間1万円で20坪の畑を借りています。しかも、夏野菜を植え始める4月下旬と秋冬野菜の種を蒔く9月初旬には、トラクターで耕していただいています。
市民農園を借りる
市町村で住民に畑を貸し出している所があります。市町村に問い合わせて見ましょう。
この場合は、住んでいる所から遠い場合が多いです。河川敷というところもあります。河川敷の場合、大規模な大水の時には畑が流されることもあるということを覚悟する必要があります。
畑のレンタルやシェアを利用する
最近農家の後継者が少なくなって、年老いた農家が土地を手放すことが多くなっています。耕作放棄地となっている土地も多くなっています。そのような土地を買い取り、畑のレンタルやシェアをしている業者もあります。
こちらでは、首都圏を中心に約70農園を展開しています。農具や資材が揃えてあって、自由に借りることができます。肥料も調達できます。手ぶらで行けて便利です。専門の方がいてアドバイスもしていただけます。週に1度の手入れを基本にしていますが、それができない人には、代理で手入れをしてもらうことができます。
自宅から少し離れた場所になることが多いと思いますが、家族で車であるいは電車で通うのも楽しいのではないでしょうか。
農園付の別荘を借りるあるいは購入する
ベランダ農園
マンションのベランダでも簡単に菜園を楽しむことができます。当然ながらたくさんの野菜を育てることはできません。子供と野菜作りを体験したり、パセリを育てて料理に使うなどが目的になるでしょう。本格的な野菜を育てるとなると、割高になることを覚悟しなければいけません。
道具は何を揃えるか
よく道具に凝る方がいますが、必要になった時に購入することでいいのではないでしょうか。
鍬(クワ)
鍬にもいろいろあって、写真のような幅の広い薄手の鍬がどうしても必要になってきます。
これは、種まきや苗の植え付けの時に、土を寄せて畝を作る時に非常に便利です。幅短い鍬ですと、土を寄せる手間が増えて疲れます。
写真の鍬は、備中鍬というようですが、最初畑の土を起こす時に便利です。上の鍬では刃が立たないような固い土でも、土の中に入っていきますから便利です。しかし、このような時スコップも活躍します。私は備中鍬は持たずに、次のスコップで土起こしをしています。
スコップ
大きいスコップは上に書いたように、土起こしに使います。それから、ちょっと土を運ぶような時のも使えます。柄が木製のものは、長い間雨にさらすと柄が傷んで折れてしまいますので、できればスチール製の方がよいでしょう。
小さいスコップ、いわゆる移植ごては、苗を植え付ける時に必要になります。
草削り(草掻き)
畑には次から次へと雑草が生えてきます。小さいうちに抜かないと、大きくなってからでは処置に困ります。そこで、土の表面を雑草と一緒に掻いていくこの道具が便利です。柄が短いとしゃがんで作業をしなければならないので、立って作業できるくらいの柄の長さがあったほうがよいです。
なお、一番最初に紹介した鍬でも代用ができますが、細かい所は草削りの方が便利です。
鎌(カマ)
野菜の収穫にもはさみの代わりに使います。
その他諸々
その他に次のようなものがあるとよいでしょう。
・ジョロ
・支柱:野菜に応じて必要な太さ、長さのものを必要本数
マメトラクター(マメトラ)があると作業が楽になることはもちろん、土を細かく耕してくれるので、種まきや植え付けも楽です。狭い菜園では必要ありませんが、広くなってきたら検討してみるとよいでしょう。周りの家庭菜園仲間と共同購入という方法もありますね。
最近は極小型の低価格のものや、カセットガスボンベで動くものもあるようです。
地下たび
私は写真の孫たびを愛用しています。PR
時々サイズが品切れのことがありますので、下のような作業用のたびでも同じです。PR
TIPS 種の固定種とF1について
野菜の種には「固定種」と「F1」があります。
「固定種」は、何世代もかけてその土地の気候風土で選抜淘汰を繰り返してきたものです。これに対して「F1」は、「雑種強勢」という植物の持っている性質を利用して、異なる性質の植物を掛け合わせて一代限りの優秀さを求めるものです。生育スピードが早くて収量も多いのですが、二代目は性質がばらばらで、良くできたからといって種を採って翌年蒔いても、同じように収穫できるとは限りません。園芸店やホームセンターで売っている野菜の苗も、F1の種を購入して育てたものですから、種を採って翌年蒔いてもよくできるとは限りません。毎年種を採って育てたいのでしたら、固定種の種を使わなければなりません。日本で固定種の種を売っているのは、埼玉県飯能市の野口種苗研究所だけのようです。オンラインショップで購入することができます。
http://noguchiseed.com/
野菜作りで注意すること
野菜作りで注意する基本的なことを書いておきます。
連作障害に気をつける
同じ野菜を同じ場所で栽培すると、育ちが悪くなったり、病気や害虫が発生しやすくなります。これを連作障害といいます。同じ野菜だけでなく、親戚関係にある野菜(たとえばトマトとナス)でも連作障害は起きます。左の写真は連作障害にあったナスです。植えてから1か月たってもこの状態です。昨年植えた同じ場所に植えた結果こうなりました。
毎年場所を変える、土を休ませるなどの配慮が必要となります。
どの野菜とどの野菜が連作障害を起こしやすいかは、こちらの 連作障害の一覧 をご覧ください。
土の酸度調整をする
野菜を一度育てると土が酸性になります。カルシウム、カリウム、マグネシウムといったアルカリ性物質は水に流されやすいのです。ほとんどの野菜が中性に近い土壌を好みます。酸性に偏りすぎると育ちが悪くなります。耕す前に苦土石灰(くどせっかい)を撒くようにしましょう。苦土石灰にはカルシウムとマグネシウムが含まれています。カリウムは合成肥料の中に含まれています。
間引きをする
家庭菜園の場合、土地が狭いですから、買った種を狭い土地に全部蒔いてしまうことが多いでしょう。その時は、本葉が出始めたら成長の良いものを残して、成長の悪いものを間引かなくてはなりません。そうでないと、共倒れになって野菜が大きく育ちません。
害虫を気にしない
害虫はあまり気にしないで、まずは気楽に始めてみましょう。
動物からの被害対策
最近農家ではイノシシやシカに作物を荒らされる被害が増えているため、田畑の周りに電気柵を設置することが多くなっています。しかし、趣味で家庭菜園をしている人にはその必要はないでしょう。それほど山間の別荘地に菜園を持たない限り、イノシシやシカの被害にあうことはありません。
しかし困るのはカラスによる被害です。彼らはトマトやスイカをつついて腐らせてしまいます。ようやく実りかけたトウモロコシの上に乗って根本から折ってしまいます。しゃくにさわりますね。
カラス除けのテープを張ったり、いくつか対策はあるのですが手がかかります。そこで最近試して効果のあった方法を紹介しましょう。