私の生まれは静岡県伊豆市で、熱海の伊豆山(いずさん)にも行ったことがあります。
東京から湯河原を過ぎて静岡県に入ってすぐ、熱海駅の手前の右手に山が迫った所が伊豆山です。
タクシーで急な坂道を折れ曲がりながら登って行くと、温泉別荘が点在し、会社の保養所なども多くある所です。
相当前になりますが、「11PM」の司会をしていたテレビタレントの大橋巨泉さんも住んでいました。
その温泉別荘地の上流が、このように崩れて下流に下っていきました。この下方に住宅地があり、土砂が一気に襲いました。
今回の土石流が起こった場所のGoogle マップの事故以前の航空写真が残っていました。
赤い印で土石流の起こった先端が示されています。ここから斜め右下に土石流が下っていきました。
土石流の起点付近は地肌がむき出しで、業者が盛り土をしていたということです。
この付近は、以前は森林で生い茂っていました。その森林を切り倒して盛り土をしたようでs。森林の保水力は膨大です。森林を切り開いただけでも大雨を保水できなくなるにもかかわらず、ここに盛り土をするなんて、何という愚かな行為でしょう。
下記NHKニュースによりますと、平成21年に神奈川県小田原市の不動産業者から、静岡県の条例に基づいて、熱海市に対し盛り土を造成する計画書を届け出ていたことが分かっています。
熱海 土石流 盛り土を造成の業者 市に提出の計画 上回る盛り土 | 大雨情報(7月) | NHKニュース
その時の計画書の図面が下記です。(NHKニュースより)
静岡県の条例では、必要な場合に土砂災害への対策を講じるよう示されていて、計画書では、
▽崩れた土砂をせき止めるための、えん堤や、
▽雨などを排水する通水路を地中に設置するとしていたということです。(NHKニュースより)
えん堤や排水路を作ったとしても、上の盛り土が崩れたら、人口の構造物はひとたまりもありません。
なぜ、このような盛り土の許可を出したのでしょう。先ほども述べましたように、ここは急こう配の坂道です。その坂道を大型トラックで土を山の上に上げるなんて、狂気沙汰としか言えないと思います。土は上から下に流れます。人間が自然に逆らって土を山の上に引き上げる。何というおろかなことでしょう。
これは明らかに人災です。補償は莫大な額となるでしょう。