絵本:パパの柿の木

お盆の帰省客で満席の日航機が、群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落して、乗客乗員524人のうち520人が死亡してから今日で30年になります。午後6時56分でした。死亡した乗客の中には、歌手の坂本九さんもいました。今でもよく覚えています。

乗客の中に、迷走する飛行機の中で「まち子 子供よろしく」と必死に遺書を書き残していった子供思いのパパ、谷口正勝さんがいました。遺書は座席に備え付けられていた紙袋に書かれてズボンのポケットに入っていたそうです。

残された家族の悲しみを癒してくれたのが、正勝さんが事故の5年前に子供に食べさせたいと植えた柿の木でした。この事故の年の秋、初めて実をつけました。柿は毎年実を付け、夏は大きな葉で日差しをやわらげ、冬には葉を落とした木の枝から暖かな日差しを届けてくれます。「主人が家族を見守ってくれているように思えた」と、妻の真知子さんは言います。

そして1冊の絵本が生れました。「パパの柿の木」です。